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異世界トリップファンタジー 奇跡の雨男 7話

「そうじゃ。わしは龍神じゃ。名前は『クズル』と言う」
クズルと名乗ったの子供はそう言うと、その金色の瞳を得意気に俺に向けた。
「つまり神がお前についておるのじゃ、ありがたく思うが良い」
にわかには信じがたい話だ。
しかし、現にこんな世界に飛ばされ、しかもつい先ほどまで龍と対峙していたのだ。あながち嘘とも言い切れない。
「な…なんで?」
俺は声をうわずらせる。
「なんで、俺が龍神に取り憑かれなきゃいけないんだ?」
その言葉にクズルは眉をひそめた。
「全く、人間とは面倒臭い生き物じゃな。己が昔やったことも忘れ果てておる」
「む…昔? 俺、龍神に取り憑かれるような悪いことをしたのか?」
 全く身に覚えないんだが。
「そうじゃ。お前はわしの5つ目の魂を食ったのじゃ」
「はあ?」
全く記憶にない。
「いつ?どこで???」
「今、お前が生きる世界より1500年ほど前、竜宮と呼ばれた場所でじゃ」
「はあ? 1500年前? 生まれてないんですけど」
「だから、今のお前の前前前前前世の話じゃ。全く人間は生まれ変わるごとに都合の悪い事を忘れるからタチが悪い」
「俺の前前前前前世?」
 歌かよ。
「って言うか、俺は前世とか、スピリチュアルとか、オカルトとかは信じない。したがって、そんな話は信じない」
「信じようが、信じまいが、事実は事実なのじゃ。現にお前はお前の生きている世界からすれば非現実的な現象に巻き込まれておるであろう?」
確かに…。
「じゃあ、その話が事実として、なんで前前前前前世の俺はお前の5番目の魂なんて食ったんだ?」
「わしの5番目の魂には特に強い力が宿っており、ありとあらゆる水の力を操る事ができるのじゃ。それで、当時の海の権力者どもが躍起になって欲しがっていた。お前はなんの権力もない人間だったが、その権力争いに巻き込まれてわしの魂を手に入れた。そして、事もあろうに食ってしまった」
「な…なんで食ったりしたんだ?」
「食えば、わしの力を自分の力にできると思ったんじゃろう」
「……」
「とにかく、お前がわしの魂を食ってしまった事で、わしは力の半分以上を奪われこのように童の姿になってしまった。それでわしはお前から5番目の魂を返してもらうべく、長い年月お前の側にいたということじゃ」
「つまり、お前がずっとそばにいたから俺は雨男だったってわけか」
「そうじゃ。ちなみに、お前の前世も、その前の前世も、さらにその前の前世もずっと雨男で彼女が出来ない一生だった。このままだと、来世も雨男で彼女が出来そうもないな。はっはっはっは」
「なんだと?」
 そんなのは嫌だ。
「じゃあ、俺がその5番目の魂を返せばいいって話だろ? 取り付いてないでさっさと持ってきゃいいじゃん」
「ところが、わしの魂はお前の魂に溶け込んでしまい、今のままでは取ることが出来ぬのじゃ」
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ。このまま未来永劫雨男で彼女が出来ないなんて嫌だよ」
「一つだけ方法がある」
「どんな方法だ?」
「お前がわしの魂を超えるレベルの人間になることだ。そうじゃなあ、お前の世界でいえばシャカとかキリストとかいわれる人間がおるじゃろう。あれぐらいまで魂のレベルを上げてくれれば…」
「絶対に無理だ。他に方法はないのか?」
「あるにはあるが、難しいぞ」
「どんな方法だ?」
「お前が俺に食われることだ」
「はい、却下。次の質問にうつろう。どうして、俺はこんな世界に飛ばされなくちゃいけなかったんだ?」
「それは、お前がわしを追い払おうとしたからじゃ」
「そんな理由で、こんなヒドイ目に合わすのか? 別れを切り出された未練がましい女じゃあるまいし」
「誤解するな。わしとて不本意なのじゃ。お前がわしを追い払おうとしたのでわしもちょっとばかりムキになって、お前の前に姿をあらわしてしまっただろう? それをお前が大人気なく追跡してきたから、わしも少し必死になりすぎてしまったのじゃ。故郷の神界に戻るつもりが、慌てて中途半端に異次元に飛び込んでしまい、さらにおかしな力に巻き込まれてこんな所に出てきてしまったのじゃ」
「なるほどね。それで、帰る事はもちろんできるんだよな?」
「無理じゃ」
「……はい?」
「無理」
クズルは非常にあっさりと答える。
「無理って事はないだろう? 来た事ができるんだから、帰る事もできるだろう?」
「いや。マジで無理じゃ」
「どうしてだよ」
「それは、歴史に異物が混入したからじゃ」
「異物? 異物ってなんだよ?」
「お前の事じゃ」
「もし、タイムパラドックス的な事いってるなら、俺はほぼ何の影響も与えてないと思うぞ。そういう事にならないように、あえて早めに引き上げてきたんだからさ」
「果たしてそうかな?」
「違うっていうのか?」
「そうとも言える」
「なんだよ? その含みのある言い方。ちゃんと説明しろよ」
「よかろう。しかたないから教えてやろう。今、お前が古代と呼ぶこの時間の上では神と魔が戦っておる」
「……のようだな」
 俺は、洞窟の中からでも見る事ができる異様な風景。空間を切り分けるようなあの黒い闇のカーテンの向こうを眺めながらうなずいた。
「この世界は、まだ神話の時代にいて、大地も空間も固まりきっていないのじゃ。だから、あのような光と闇がくっきりと別れたような奇妙な風景が地上に現れておる。神と魔の戦いは長く続くが、お前が居た時間から見た過去の世界では、とりあえず……あくまでも表面的にじゃが……光が勝利して、闇は地下に潜る事になる。お前達人間が、自分達の普段の行いの是非はともかく、心の底では正しく生きた方が良いという考えを持ったり、正しい事を子供に伝えたりするのはそのためじゃ」
「建て前とか、道徳とかいうやつの事か」
「そうじゃ。そういうものがなければ、世界は完全に地獄になる。ところが、お前という異物がこの世界に混入した事で、時間と空間のバランスが崩れたのじゃ。お前は、この世界を織り成すタペストリーに混入した異物なのじゃ」
「光と闇の戦いと俺の存在は何の関係もないだろう? 俺はどっちの味方もしてないし、誰も殺してないし。今のうちに帰っちまえば全部チャラだよ」
「だが、お前はイヨと出会ってしまった」
「イヨだって、すぐに俺の事なんか忘れるよ」
 言ってしまってから、何故かひどく凹む。すると、クズルは首を振った。
「そうであってくれればいいのだが……」
「どういう事だよ。もしかして、イヨは俺を忘れないって事か?」
「喜んでいる場合ではない。事は重大なのじゃ。いいか? ここに来てからわしなりに本来の歴史の流れについて調べてみたのじゃが、それによれば、本来の時の流れの中では、イヨは結局龍神を呼び出す事ができず、冥界の花嫁として闇の国に送られてしまうのじゃ。イヨは人生に絶望し、せめて冥界の王に一太刀でも浴びせようとして、それを実行する。小娘とあなどっていたのがいけなかった。冥王は心臓を貫かれてしまう。もちろん、その程度で死にはしないが……。そして、イヨは自分の剣が冥王の胸を貫いたのを見ると、すぐに毒を飲んで死んでしま宇野じゃ。冥王は一命はとりとめたものの、その時の傷が原因で徐々に力を失っていく。つまり、イヨの存在……というかイヨの死が世界に光をもたらす大きな鍵になっていくのじゃ」
「……」
 あまりのショックに口をきけなくなる。しかし、そういえばシキコ様とやら(面識はなかったが)が言っていたらしいな。「イヨはいつか、私達を救ってくれる子だから」とかなんとか。まさか、それが、そういう意味だったなんて……。
「ところが、お前が現れた事で、雨が降った。これで、イヨはもう冥界に行かずにすむ」
「そうなのか?」
「おそらくは…。はっきりとは分からぬが」
「そうか」
 ……と、胸をなでおろす。
「喜んでる場合ではないと言っておろう。それがどういう事を意味するか分からぬか? イヨが冥界に行かなければ、冥王の胸を貫く事もないのじゃ。ということは、世界は光に覆われる事もない。世界は変化し、未来は不確実になった。よって、もうお前は、元いた未来には帰れない」
「そ……そんな。でも、俺は人間であって龍神じゃない。つまり彼女は龍神を呼び出してないし……」
「ならば、お前が今から村長の所にいって『実は僕は龍神じゃないんです』と白状して来い」
「できるわけ無いだろう。殺される」
 殺されなくたって、できない。
「とにかく、お前の出現で、イヨは自信をつけてしまった。あの娘は、彼女があの村に来て以来与えられ続けた負の暗示のせいで、今までまったく自分の力を発揮する事ができなかった。しかし、お前との出会いで変わってしまった。」
「負の暗示?」
「そうじゃ。イヨはあの村では他所者な上に、見かけも日本人離れしているだろ?」
「確かに、目は大きいし、髪の色は薄くてウェーブがかかってる。日本人離れした美形だな」
「お前の住む世界ならそうじゃ。しかし、この時代で、あの見かけは、人々の恐れを引き出すだけじゃ。イヨはこの世界でずっと白い目で見られてきた。そして、あまりにも虐められ過ぎたために、自分でも自分をいじめるようになってしまったのじゃ。つまり、お前の世界での言い方では『自分にマイナスイメージを与え続けてしまった』。それがイヨの持つ本当の力を押さえ込んでいるんだ。そのかわり、イヨは死ぬ事を怖れていなかった。この世界に未練がないのであろう。だから、冥王にひと太刀浴びせるなどという無茶ができたのじゃ。しかし、お前に会った事で、イヨはこの世界に希望の光を見い出してしまった。もう、自殺する事はないだろう」
「俺が? 俺がイヨにそんなに影響力を持つのかな?」
「分かっておらぬようじゃが、イヨにとって、お前の出現は『生まれて始めて叶った願い』なのじゃ」
「……」
 何だか、ひどくショックだった。そんな風に……俺の存在をそこまでに思ってるのか? あの子は……。それを見捨てようとするなんて……そういう自分がひどく許せない。
「じゃあ、もし俺がここで居なくなったら、彼女は絶望して死んでしまうのかな?」
「それはないだろうが、イヨは『生きていれば光がさす事がある』という事を知ってしまったから、万が一この先冥王に囚われても、もう死ぬ事はないだろう。そして、いつまでも待つだろう。お前があらわれる事を。もっとも、その前に冥界に馴染んでしまうかもしれぬがな」
 その時、にわかに青白い稲妻が走り、クズルの姿がかき消えた。
 そのとたん、ゴゴーンと音がして、空間が揺らいだ。同時に、周りの風景がテレビでノイズが走ってるみたいになり、次には世界全体が様々な色をともなってぐにゃぐにゃと渦巻きはじめる。
「な……なんだ?」
 おどろいて、目を閉じる。
 そして、次に目を開いた時には何もかも元に戻っていた。
「今のも、お前の仕業か?」
 俺は、姿の見えないクズルに向かって叫んだ。するとどこからか声が聞こえる。
「違う。今のは空間のバランスが崩れた証じゃ。闇の力がますます強くなっておる。早くしないと、間に合わなくなるだろう」
 その言葉が終わると同時に小さな白蛇が現れて、俺に向かって舌を出し、どこへともなく消えて行った。
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異世界トリップファンタジー 奇跡の雨男 6話

 その夜。俺は広い祭殿で一人眠る事になった。『居心地がいい場所ですのよ』なんてイヨは言っていたが、広いは、暗いわでなんとなく怖い。古代の闇はハンパない暗さと、深さを併せ持ってる感じがする。まるで、すぐそばに異形の物でもいるような……。
 眠れないまま夜具の中で今日一日の事を思い返して居た。なんで、こんな事になったんだろう? 俺はちゃんと元の世界に帰れるんだろうか? などなど……。考えていると、突然、さらさらと絹ずれの音がして、誰かが近付いてくる気配がした。

 さらさらさら……

 なんだ?

 薄気味悪くなる。
 まさか……お化け? それとも、昼間の化け物?

 断わっておく。俺は霊なんか信じていない。少なくとも21世紀の文明に守られている限りは。
 しかし、これだけ異常な目にあってしまっては、お化けも妖怪も否定できない。なにより、この古代の世界には、何が起きるか分からない底知れない恐ろしさがある。俺は夜具をかぶってがたがたと震えだした。そして、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏とお経を唱える。と、何か生温かいものが夜具の上から俺に触れた。
「わっ」
 飛び上がると、そこにイヨが居た。
「な……なんだ? イヨか」
 激しく波打つ鼓動を抑えながら俺はイヨを見る。
「ごめんなさい。起きてしまわれたのですね」
「い……いいよ。まだ、寝てなかったし……。それより、何しに来たの? 君はモヨと巫女の館で寝ていたんじゃないの?」
「ええ。ですけど、今日は龍神様と一緒に寝ようと思って」
「……はい?」
「ですから、ここで、一緒に寝ようと思って」
「はあ?」
 言うや否や、イヨが夜具の中に入り込んで来た。腕に柔らかい感触が……。
「って、ええーー! 駄目でしょ? 駄目だって」
「どうしてですの?」
「どうしてじゃないだろう? 仮にも妙齢の女性が男の布団に潜るなんて」
「でも、こうすれば冥界の花嫁にならずに済むかもってモヨ様が」
「はあ?」
「龍神様と一夜をともにすれば、もう乙女ではないからと」
「……」
「そのかわり、巫女としても終わるけどって。でもいいんです。私、巫女の地位には未練ないですから。全然才能ないし。」
「…………………………」
 あの女ーー!
 俺はモヨの実に意地の悪そうな目つきを思い出し歯がみした。
 一度殴ってやるーー。
 返り打ちにあうのは必定だが。
 そうこうしてる間に既にイヨは眠ってしまった。この娘、何も分ってないし。
 寝息を立ててるイヨを横目に、俺はそっと夜具から抜け出し、部屋の隅で膝を抱えて寝転がり目をつぶったった。しかし……だめだ。とても眠れない。つーか、やってられるかーー!
 心の中で雄叫びをあげると、俺はすやすやと眠っているイヨを起こさないようにそっと部屋から出て行った。外に出ると、既に夜は白み始めていた。紙もペンもないから、小石を拾って土の上にメッセージを残す。

イヨとモヨへ
世話になったけど、俺は出て行きます。
もう、2度と会う事もないだろうけど元気でな。
イヨとモヨが力を合わせれば
なにもかもうまく行くよ。
それじゃあ
龍神こと、究極の雨男 青空太陽

 それから、俺は忍び足で歩き始めた。今だ眠りの中にいる村人達を起こさないよう、そっと、そっと。そして、村を出てまっすぐ東へ歩いて行った。目的地は言うまでもなく、昨日の洞窟だ。一本道だから迷う事もないだろう。唯一怖いのは、昨日みたいな化け物に会う事だ。が、幸い、何にも会わず、無事に洞窟に辿り着く事ができた。
 洞窟につくと、ひとまずホッとして腰を降ろす。そしてつぶやいた。
「ごめんな、イヨ。俺は、元居た時代に帰るよ。俺は未来人なんだ。しかも、超不真面目、テキトーに生きてる21世紀の日本人なんだ。だからさ、嘘をつくだけで殺されたりとか、16才の少女を生贄にするとか、そんなヘビーな話しにはついていけそうもないよ」
 そこまで口にした時、俺は今朝一番の雄叫びを上げた。
「ば…化け物ー!!!!」
 そう。そこには体調2メートル程もあるでかくて白い龍がとぐろを巻いて俺を見て居た。これが、夢なら最高のラッキードリーム。なのだろうが、残念ながら、これは夢ではない。というか、この異常な世界が夢ではない事の方がむしろ異常なんだが、まったく遺憾ながらこれは現実なのである。あまりのキョーフに、俺は洞窟の中にダッシュした。そして、あろうことか鏡に向かってダイブした。なぜなら、昨日、イヨが、その『人の頭大の鏡』から俺が出て来って言ってたからだ。出て来られたのなら、入れるはずだーーーーー! との単純計算によるものである。が、しかし。

 ゴチッ

 という音とともに、デコにものすごい激痛が走り、そのまま顔面から地面に衝突した。そりゃそうだ。入れるわけねーじゃん、鏡なんかに。信じた俺も馬鹿だった。たった一つのラッキーは、振り返ればすぐそこまで来ていたはずの龍の姿が消えていた事だ。一難は去った。だがしかし、それならそれで、どうやって21世紀に帰ろう? 考える事数十秒。名案を思いつく。ものすごく確立は低いが、もしかしたらこの世界に、ノ○太とともに映画の撮影に来てるかも知れないドラ○もんを探して、タイムマシンに乗せてもらおうか、って、いるわけないだろ、そんなもん。と、虚しく一人乗り突っ込みしてから、もう一度、こうなるにいたった経緯を思い返してみる事にした。
 そう。昨日は雨が降っていて、俺は、脱雨男するために神社へと向かった。そこで、阿倍野キヨアキという名の神主がお祓いをしてくれた。しかし、お祓いは成功せず、かわりに阿倍野青年は言った。
『あなたには、とんでもないものが憑いている……り…り…りーーー』
 そうだ。俺には何かタチの悪いものが憑いているらしい。そいつのせいで、こんな目にあっているのかも知れない。そのヒントは、あの神主の言った「り…」とう言葉に隠されているはずだ。
「り……り……り……」
 俺は、とりあえず思いつく限りの『り』のつく名前を上げてみる事にした。
「リンダ。リリー。リア。リエ。リコ」
 と、その時。上方より突然大きなため息が聞こえてきた。
「はーー。なんて察しの悪いやつじゃ」
「誰だ?」
 声のした方を見上げて俺は腰を抜かした。なぜならそこに先ほどの白い龍がいたからだ。
「ぎゃー!!!! また出た! 助けてー!」
 あたふたと逃げようとする俺に向かい、非常にも龍が牙を向けて迫って来る。
 食われる!と観念した時、龍が言った。
「少し、落ち着かぬか」
 しかし落ち着けるわけがない。腰を抜かしながらも逃げようとする俺に向かって龍は「やれやれ」とため息をつき
「やっぱりこのカッコがダメなのじゃな?」
 と言って、ドロンと姿を変えた。
 その姿を見て俺は再び叫んだ。
「あー! お前はーーー!」
「そう。わしさ、お前がお祓いに行った神社で会った、かわいい童じゃ」
 そう。こいつは、あの日、お祓いが終わった後に境内で出会った奇妙な子供だった。千と千尋の神隠しに出て来たハクみたいな髪型をして、青い着物を着ている七五三に来たみたいな子供。俺はこいつを追いかけているうちに、このおかしな世界にやってきたのだ。
「一体お前はなんなんだ? 龍になったり、子供になったり、人をこんな世界に連れて来たり……もしかして、悪魔かなんかなのか?」
「違う。わしはお前にずっと憑いていたものじゃ」
「俺に憑いて…って、もしかして神官の言ってた『り』で始まる…」
 そこまで言って俺はやっと気がついた。
「ああ! もしかして龍!?俺についてたのは龍なのか?」
「そうじゃ。やっと察したか。さらに言わせてもらえば、龍は龍でもただの龍ではなくわしは龍神なのじゃ」
「り…龍神?」
 俺はその言葉に唖然とした。

ツイッター

トランプさんが切れてSNSを潰すとか行ったらしいですね。
本気なのか脅しなのかわかりませんけど、この際SNSなんて無くなってもいいんじゃないかと思ってます。

理由はいろいろありますが、とりあえず個人的な意見を書くと、もう自分には意味のないツールになってきたからです。

なんで意味がないかの理由ですが、ぶっちゃければ私は何をしたって無視される存在だからです。
SNSとかネットって、ほら自分の作った作品を見てもらったり、人と繋がったりするのが醍醐味じゃないですか。
私だってそれが目的でしたよ。小説を書いていたのも、いろんな人に見てもらって、あわよくばプロになれたらなんて思ってました。
そして、趣味の仲間を見つけて、リアルでも会ったりして、楽しく人生過ごせればいいと思っていました。

でも私はどんなに頑張ったとこで無視されるし、人と繋がろうとしても邪魔されるので、SNSをやることに全く意味がないんですよね。
それでも続けていたのは、半分自己満と、ストレス解消です。それでもいいかと思っていたんですけど、考えてみればこれって、こちらの情報をタダで垂れ流してるようなもんなんですね。それって、ただの損失です。正直言って馬鹿馬鹿しいです。
そこに気づいてから、真剣な気持ちをつぶやく気力も無くなってしまい、ますます続ける意味がなくなってしまいました。

あとね、この間テラスハウスに出ていたプロレスラーさんが誹謗中傷でなくなったでしょ?
それもきっかけだったりします。
それに関していろんな人の意見聞いて、それで、とある方の…その方はかつてひどい誹謗中傷を受けていた一般の方ですが…とてもいい意見を見つけて、それでますますSNSなんてやるもんじゃないなと思いました。(あくまでも私のケースはです)

それよりも、仕事のスキル上げるとか、知らないことを勉強するとか(まあ、それは忙しくてできないんですけど)今はそれをやるべき時かなって思ってます。

ただ、今すぐはまだちょっとやめられないので、もう少し、そうですね100日ほど様子を見てからやめようかなと思います。

今日から100日後というと9月5日です。とりあえずそこを一区切りにして見ます。







異世界トリップファンタジー 奇跡の雨男 5

 その夜、俺はイヨに連れられイヨやモヨの住む祭殿に泊めてもらう事になった。屋根だけが地面にくっついたような竪穴式住居の間を通り過ぎ、しばらく行くと高床式の大きな建物が見えて来た。
「あれは祭殿ですわ」
 と、イヨが教えてくれる。
 それから、俺達は祭殿のそばにある竪穴式住居に入り、そこで夕飯を食べる事にした。どうやら、そこは巫女達の食堂みたいなものらしい。

「ありがたく思いなさいよ。ここは、本当ならあんたみたいな間抜け面の男が入れるような場所じゃないのよ。神聖なんだから」
 貝や木の実を口に頬張りながら、モヨが憎まれ口をたたく。
「そうかよ。そりゃあ涙が出る程嬉しいね」
 皮肉を込めて答えると、俺は赤色の米を口に入れた。古代米というやつだろうか? 赤米というやつだろうか……少し固い。
「私達巫女は、東側の高床の家で眠るのです。でも、龍神様は神様ですから、祭殿にお泊まりになるとよろしいですわ」
 イヨが果実を頬張りながら言った。
「あんたの横に泊めてやったら」
 モヨが言う。
「それは、良い考えですわね」
 とイヨ。
「何バカなこと言ってるんだ」
 と、俺。
「冗談に決まってるでしょう」
 とモヨ。
 などなど、他愛の無い事を話していると、
「おい。そいつか? イヨの連れて来た龍神様ってのは?」
 と、一人の男が声をかけて来た。誰だ?と振り返ると、顔に赤色の入れ墨を入れ、鼻の下に鬚を生やしたガタイのいい男が立っていた。
「誰? あんた?」
「俺は、カシヒ。巫女様に捧げるお食事を作る奴婢さ」
「奴婢?」
「奴隷の事だ。知らないのか?」
「奴隷?」
 俺は男をまじまじと見た。奴隷? そんなものがいるのか? しかし……食事を作る事だけを仕事にしている割には迫力がある。顔の入れ墨のせいか、その筋の人みたいで正直恐い。
 気持ち的に負けているのが伝わってか、男が小馬鹿にしたように言った。
「ふん……こんな小僧が龍神のわけがない」
「いいえ! この方は龍神様ですわ」
 イヨが言う。しかし、この娘、今日、何回このセリフ言っただろう?
「そりゃあ、そうじゃなきゃイヨは困るよな」
 男が笑う。
「なにしろ、龍神様を呼びだせなければイヨは……」
 男が何か言いかけた時、モヨが机を叩いた。
「誰が、私達に話しかけていいって言った?」
 俺は驚いてモヨを見る。男も相当驚いたのか、
「モ……モヨ様。何を怒っておられるんですか? みんなが言ってる事を言ってるだけですぜ……」
 と、機嫌を取るように言った。うってかわった卑屈な態度だ。しかし、モヨは取り合わない。
「ここから出て行け」
 冷たく言い放つ。
「しかし……モヨ様」
「いいから出て行け! さもないと神罰を下らせるわよ」
 モヨのひとことで、男はみるみる青ざめた。なんだろう? 迷信深い時代っぽいし『神罰』という言葉がよほど恐ろしいんだろうか?と思ってたら、どうやら大当たりだったようで
「神罰だけは勘弁してくれ」
 と転がるように外に走り出て行った。
「おい、なんなんだよ? あの高圧的な態度」
 俺はモヨをたしなめた。
 しかし、モヨは無言だ。
「おい、なんとか言えよ」
「……」
「どうして黙ってるんだよ?」
「……」
 駄目だ。地蔵のごとくに無言だ。だんまり地蔵に向かって、イヨがおそるおそる言う。
「モヨ様。ちゃんとお返事差し上げないと。龍神様がお気の毒ですわよ」
「……」
 それでもやはり地蔵は口を開かない。俺とイヨは顔を見合わせタメ息をついた。しばらくすると、イヨが俺に小さな声で耳打ちする。「え? ……でも、それって」ためらう俺に「いいから、用意!」と言うと「そーれ!」と言って、イヨがモヨをくすぐり出す。
「ちょ……なに…! やめなさい」
「ほら、龍神様も」
「やめなさいってば、くすぐったい。くすぐったい!」
「早く、龍神様も」
「そ……そんな事言ったって。でもそこまで言うなら、ちょっと参加させてもらおうかな」
「って、いい加減にしなさーい!」
 ついに切れたモヨがイヨを思いきり突き飛ばす。すると、イヨはコロコロと床の上を一回転して「いったーい」と起き上がった。そして、
「モヨ様が、喋った、喋った」
 と、はしゃぐ。
「まったく、あんたって子は」
「だって、モヨ様怖いんですもの」
「怖いって……誰のためにやな奴を演じたと……」
 そう言うとモヨは「あっ」と口を塞ぐ。
 その仕種を見て、ピンと来る。
「なあ、モヨ」
 俺は言った。
「俺、さっきからずっと思っていたんだけど、もしかしてイヨの身の上に、何か重大な事でもふりかかっているんじゃないのか?」
「な……なんで?」
 モヨは明らかに動揺している。
「だって、さっき村の奴らが言ってたもん。『イヨが助かるために龍神を呼び出したって嘘をついてる』って。今のオヤジも同じような事を言ってた。だから、お前切れたんだろう?」
「関係ないわよ」
「でも、お前自身言ってたじゃないか。龍神を呼び出せたからって『運命が変わるわけじゃない』って」
「言ってないわよ」
「言ったよなあ?」
 俺はイヨに同意を求めた。
「はい。言いました」
 イヨがうなずく。
「と、言うわけだよ、モヨちゃん。嘘ついてもいいのか? 言葉の力は絶対なんだろ?」
 からかうように言うと、モヨが顔を真っ赤にして怒った。
「うるさいわね。あれこれ詮索するんじゃないわよ! このスケベやろう」
「スケベってなんだよ……」
「うるさい。エロオヤジ」
 なんだか、わけの分からない応酬になって来たあたりでイヨが言った。
「もういいです。モヨ様。私から話します。別に隠す事じゃないし」
「……」
 イヨの言葉にモヨはそっぽを向いた。勝手にすれば? って感じだ。
「実は、私。この村の人間じゃないんです。子供の頃、市で売られてる所を、村長様に買われて来たんです」
「買われた?」
 俺はちょっとばかりショックを受けた。
 人身売買……この時代はどの国でも当たり前にあった事らしいけど……。
「じゃあ、君も、奴隷なの?」
「いいえ。私は、奴隷として買われたのではありません。私がこの村に買われて来たのは、冥界の花嫁になるためです」
「花嫁?」
「ていの良い生贄よ」
「生贄?」
 俺はさらにショックを受けた。
「そうです。生贄です。16になったら捧げられるはずでした」
 あまりのショックに口をきけなくなる。が、しかし、やがて声を振り絞るようにして言った。
「そんな……そんな馬鹿な話あるか……」
「あるんだから、仕方がないじゃない」
 モヨが冷たく言い放つ。
「けど、人を生贄に捧げるなんて」
「仕方がないでしょう? そうしなければ生きていけないんだから。この村では10年に1度生贄を捧げる事で、冥界の呪いを鎮めて平和を保って来たのよ」
「だからって……」
 そりゃ、俺は21世紀の人間で、しかも日本人で。人を生贄になんかしなくても、誰もが平和にくらせて。食うに困る事もなくて。それだからこそのお気楽な発想かもしれないが、人を生贄に捧げるなんて理解できない。
「生贄は16才までの乙女と決められています。そして、最後の生贄を捧げてから今年で10年目……」
 イヨが淡々と言う。
「10年目?」
「そう。でも、この子はまだ村にいる」
「どうして?」
「生贄にするのはやめたからよ」
「へ?」
 俺は少し拍子抜けした。
「そうなの?」
「ええ。一応はそのはずでした。シキコ様がそうおっしゃってくれたから」
 イヨがうなずく。
「私がこの村に買われて来手からすぐに、シキコ様が占いをして下さったんです。その時『イヨには他の村人にはない才能がある。いずれ冥界を滅ぼして救ってくれる子だから、生贄なんかにしちゃいけない。それよりは巫女として大事に育て、いつか目覚める時を待て』っておっしゃってくれたんです。それでこの祭殿に引き取られて、モヨ様とともに巫女として育てられたんです。ところが……」
 そう言うと、イヨは黙りこくってしまった。かわりにモヨが続けた。
「ところがね、ある日冥界の王が使者を送って来て、次の生贄には、ぜひイヨを寄越せと指名して来たの」
「なんで?」
「分からないわ。どこかで会って目をつけられたのかも。冥王って幼女好きって聞くし。こいつの童顔が好みだったのかもね」
「ロ……ロリコンかよ。つーか、生贄って何するんだよ?」
「変な想像するんじゃないわよ。とにかく、冥王直々の名指しじゃ、誰も断れないわ。やっぱりイヨを生贄にしろって声がみんなの間で高まって……」
「でも、シキコ様だけはイヨを庇ってくれたんです。絶対にこの子を生贄にしちゃいけないって」
「そうなのよね。なんで、シキコ様はここまでイヨを大事にするんだか。こいつときたら、巫女としては全然落ちこぼれで、雨乞いはできない。病人に憑いてる霊は追い出せない。弓も駄目。祝詞も覚えない。占いも無理。あんまりの役立たずぶりに、村のみんなあきれ返って、これはもしかして珍しくババさまが占いそこねたんだって噂してるの。もし占いが間違いだとしたら、このままずっとイヨを村に置いておいたらまずい事になるって」
「それでも、シキコ様だけはイヨを庇ってくださって……」
 と、イヨが言う。
「そう。それでシキコ様は、冥界の王が咽から手が出る程欲しがっているものを探して来るって、それとひきかえにイヨの事はあきらめてもらうって、3ヵ月前に村を出て行ったの。その間にも冥王からの催促は矢のように来るし。そのうち、日照りが起きて作物が育たなくなって、とうとう一部の心無い連中が『今のうちにイヨを冥界にやってしまえ』と思いついたの。それで、村長様にイヨの役立たずぶりを延々と語って、村を犠牲にしてまでおいとくような娘か? って迫ったんですって。それで、村長様も困ってしまったの。なにしろ、シキコ様との約束があるし、だからといって村人の運命もかかっているし。それで、村長様はイヨの運命を天に預ける事にしたの。もし、役立たずのイヨが雨乞いに成功したら、ババの言う通り村を救う娘にちがいない。しかし、もし、雨乞いに失敗したら、ババの占いは外れたものとしてイヨには冥界にいってもらおうと……」
「なるほど。そういう事だったのか」
 と、俺はうなずいた。
「でも、俺……つまり龍神様が現れたんだから、イヨの冥界行きは無しだな。これにて一件落着って」
 俺が遠山の金さんのごとくまとめようとした時、
「そう、簡単に、済むかしら?」
 モヨが首をかしげた。
「なんでさ?」
「だって、さっきあんた言ったじゃない。ホデリの神の呪いとかなんとか」
「ああ。あのダースベーダーモドキの事?」
「ヨミノシツルギフルカバネですわ」
「あれって、いよいよ冥王が本気になったって事よ」
「ああ。そうか……」
 おれはうなずく。
「大丈夫ですわ」
 イヨが言う。
「龍神様が居ますもの。イヨは信じてます。龍神様ならイヨをこの運命から救い出して下さるって……」
 いや、それは無理だと思うよ。と、俺は心の中で答えた。俺はただの人間だから……。

ドラクエ11 SWICH版

コロナのせいで例に漏れず仕事に影響が出てきまして、大変に暇なのでブログの更新でもしようかと思います。

というわけで、おととい暇にまかせてやっとドラクエ11 SWICH版を進めることができました。
ドラクエ11は3DSでクリア済みのですが、SWICH版では各キャラの新たなエピソードが加わるのと、ボイスドラマがついてくるというので購入しました。
3DSと比べると2Dと3Dの切り替えが自在にできなくて、そこだけが残念です。
私としては3Dでプレイしたいんですけど、SWICH版では3Dで長時間プレイすると酔ってしまうので(3DSでは平気だった)2Dでプレイせざるを得ません。しかし、3Dで見たいシーンとかあるので切り替えようとすると、なんか各イベントの最初に戻ってしまうんですよね。そして、せっかくクリアしたイベントをもう一度やらなくちゃいけなくなるという二度手間になってしまうので、結局やらずに進めてしまうのです。

ネガティブなことばかり書きましたが、追加されたエピソードはとても面白かったです。

シルビアさんから始まって、マルティナ、カミュ、ロウの順で話が進んで行きました。一応気をつけますが、ネタバレも少々あるので、読みたくない方は読み飛ばしてください。

シルビアさんのエピソード、めちゃくちゃ面白かったです。
世界樹の木が枯れてしまって、魔物に支配されてすっかり陰鬱になってしまった世界を明るくすべく世直しの旅を始めるシルビアさんですが、その過程で荒くれ男達を何人も仲間にするんですよね。海の男とか、頑固一徹な職人とか。
で、初めは「あっしは三枚おろしが得意で」とか言っていた海の男が、最後にはなぜか自分のことを「あたし」と言い、シルビアさん(♂)のことを「おねえさま」と呼び始めるんですよね。理由はシルビアさんのようになりたいので真似をするっていうことなんですけど、別にそこを真似せんでもと思ったり。
そういえば、そのあと本編のエピソードで勇者と再会すると一旦この仲間達と離れるんですけど、その時の仲間達のセリフが
魔王ちゃんを倒せるのはお姉さまだけだから!」
とかだったような。
「いや、魔王にちゃんつけるなよ」とかめっちゃウケてた記憶があります。

その次はカミュさんのエピソードでした。可愛らしいホイミスライムが仲間になります。ところがこのホイミスライムがなぜかカミュの事をよく知っているようで、果たしてこのホイミスライムの正体は?みたいなとこですか。これはお笑い要素なしのほぼ真面目なエピソードでした。

で、次がマルティナさん。グロッタの街が魔物に支配されてしまって、それを救おうと果敢に挑むマルティナさん。しかし、魔物のボス格のブギーに一目惚れされてしまい、呪いのバニー服(なんぞ?w)を着せられてしまいます。そしてその後、異次元に飛ばされるのですが、そこにいたブギーの彼女(?)のメガモリーヌというどう見ても女性に見えないマッチョな巨人に目をつけられ、お仕置きバトルが始まります。で、最後には勝つことができるんですけど…。
っていうか、ブギーの趣味がわからん。っていうのが一番の感想でした。

最後のロウさんのエピソードは、最初はロウさんの愛読書のエロ本から出てきたギャルが登場したりしてギャグっぽかったのですが、途中からすごく泣ける話になります。本当に泣けるのでここには書きません。詳しくはやってみて下さい。

という感じで、各キャラエピソードの感想でした。

まだ、本編のストーリーは途中なのでこれから進めて行くつもりです。
今ちょうど主人公が海底の宮殿で魚になってるところです。3DSの時は3Dでプレイしていてこの海底でのエピソードがすごく綺麗で好きだったので、できれば3Dでやりたいんですけど、前に書いた通り3Dにするとシルビアさんのエピソードからやり直しになるので、それはちょっと無理なので泣く泣く2Dでやります。2Dは2Dでいいんですけどね。
でも、もし次回プレイすることがあったら3DSでやります。



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